前原誠司衆議院議員のツイート(以下)を見てのけぞった。
この人、国交相や国家戦略相の経験者なのに自動運転のことをまったく知らないんだなと。
「日産自動車が開発されている実質レベル4の自動運転車両に乗せていただきました。約40分、霞ヶ関、銀座、新橋を回りましたが、怖いと思ったことは一度もありませんでした。来年から販売される予定とのこと」。
これはもう甚だしい事実誤認だ。日産が2027年度に投入する次世代プロパイロットは、市街地でも高速道路でも、ドライバー監視下でハンズオフ走行ができる高度な運転支援技術だが、車両を制御する責任は常にドライバーにある。テスラのFSDと同じ自動運転レベル2++、もしくはNOAと呼ばれる技術である。
それを前原氏は「実質レベル4」と称した。となれば「実質ってなんなんだよ!」と突っ込みを入れないわけにはいかない。事故時の責任がドライバーにあるレベル2++と、システムが責任を負うレベル4とでは、技術的にも法的にも天と地ほどの違いがあるというのがこの話の大前提だ。レベル2++は、機械が間違っても人間が修正する。安全を担保する最後の砦は人間だ。しかしレベル4は、システムが間違えればそのまま事故に直結する。数字は独り歩きするリスクがあるのであまり書きたくないが、イメージしやすくするためにあえて感覚的な例として書くと、レベル2++は99.9%うまくいけばいい。残りの0.1%は人間がカバーする前提だからだ。だが最後の砦をもたないレベル4が同じ水準では怖くて乗っていられない。最低でも100倍のファイブ9(99.999%)が必須、できればそれ以上欲しい。つまり求められる性能がレベチなのである。それを、たった40分乗って大丈夫だったから実質レベル4だなんて言ってしまうのはあまりにお花畑過ぎる。
EVのときもそうだったが、ほとんどの政治家は技術に詳しくない。それは仕方がないとしても、だったら発言する前に勉強してほしい。薄っぺらい知識でバズワードを連呼し、物事を推進しようとする権力者が出てくるのは、はっきり言って迷惑以外の何ものでもない。

Goro Okazaki
