femme FEATURE ディーラーでカフェレーサーをオーダーする時代

ドゥカティ「スクランブラー」の、イタリアのライフスタイル・ブランド「イタリア インディペント」とのコラボレーションモデル。カフェ・レーサーをテーマにカスタマイズされた。ナイトカッパー(茶色)のアクセントが特徴的だ。

DUCATI Scrambler(限定モデル)
車両本体価格:1,477,000円(税込)
総排気量:803cc
最高出力:54kW(73ps)/8,250rpm
最大トルク:67Nm(6.8kgm)/5,750rpm

今、バイクはネオ・クラシックがブームだ。ロンドンから発祥したロッカーズやモッズ、日本でいったらクールスといった不良に憧れていた時代があった世代にとっては、甘酸っぱい懐かしさがこみ上げてくるのではないだろうか。

 カフェレーサー、チョッパー、トラックレーサー、ストリートファイターなど、ストリートから発祥したカスタム文化も、それによって復活の兆しを見せ始めている。

 BMWのR nine T、Ducatiのスクランブラー、さらに、トライアンフの新しいボンネビルシリーズなど、トラディショナルながらもシンプルなスタイリングのモデルが続々と登場している。これらの共通するところは、新車でありながらも、カスタムをする余地が残されているということ。そのままでも充分に楽しめるのだが、それから先の領域にまで踏み込みたくなる魅力に溢れているのだ。

Triumph・Bonneville Street Twin
車両本体価格:999,500円(税込)
総排気量:900cc
最高出力:40.5kW(55ps)/5,900rpm
最大トルク:80Nm/3,230rpm

 そもそも、仮面ライダーやロッカーズに影響を受けてライダーになった私にとって、カフェレーサーは、いつかは乗りたい憧れだった。しかし、どこから手をつけて何をすればああなるのかが、全く解らない。ビルダーに行くにしても素人には敷居が高く感じられ、憧れは憧れのままとなっていた。だが、その様子が変わりつつあり、ある意味現実味をおびてきた。

 というのも、スクランブラーやボンネビルシリーズは、見た目のカスタマイズが楽しめる“純正”のパーツがたくさん用意されているのだ。これなら、パーツ選びに翻弄されなくとも、ディーラーでそれなりのカスタムが簡単にできてしまう、ということなのだ。先日発表された、スクランブラーとイタリア インディペンデントとのコラボレーション限定モデルは、痺れるほどスタイリッシュでカッコいいカフェレーサースタイルに仕上げられていた。残念ながらこの限定モデルのパーツは発売されないのだが、ディーラーに相談すれば、近いところまでは仕上げられるハズ。大好きなファッションに身を包んで、ストリートを流せるバイクがあってもいい。400ccのスクランブラーSixty2を眺めながらも、妄想が止まらなくなってしまった。

BMW・R nine T
車両本体価格:1,925,000円(税込)
総排気量:1,169cc
最高出力:81kW(110ps)/7,550rpm
最大トルク:119Nm/6,000rpm

 峠やサーキットを走るのも楽しいけれど、それとは“別腹”。ライフスタイルによりそった楽しみ方もアリなのだ。古き良き時代のように、そんなおしゃれなライダーでストリートが溢れかえる日が、近い将来やってくるのかもしれない。

文・サトウマキ

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