新しい働き方の提案 SUZUKI スペーシア ベース

文・村上智子 写真・神谷朋公

コロナ禍をきっかけとしたライフスタイルや価値観の変化は、よく話題に上るところだ。

 私生活をおざなりにする働き方に疑問を持ったり、ソロキャンプをはじめとするアウトドアにハマったり…。一方で、毎日の生活もあるわけで、自分の中の優先順位をどうバランスすべきか、もどかしさを抱えている人もいるだろう。

 長年人々の生活や暮らしに寄り添うモノづくりを行なってきたスズキが投入した新型「スペーシア ベース」は、そんな時代の答えとなる新しいコンセプトのクルマだ。

 ジャンルとしては軽商用バンなのだが、商用車としての機能性や実務性と乗用車の快適性を融合させ、自分専用の基地として仕事と遊びのどちらにも自在に使えるのが特徴だ。

 コンセプトの鍵を握るのが、アイデアが詰まった荷室空間。間仕切り(マルチボード)の高さや仕切る位置を変えることで、テレワークや移動販売用の棚として利用したり、趣味やペット用の空間を設けたりと、まるで模様替え感覚で自在にレイアウトが可能だ。内装は「ここにこれがあったら便利」「自由に取り外せたらな」といった痒いところに手がとどく工夫があちこちに施されている。

 前席の乗り心地や静粛性は、スペーシアに引けをとらない。また冬のレジャーや仕事に嬉しい、運転席&助手席のシートヒーター(GF 2WD車は運転席のみ)をはじめ、軽商用車初となる快適な装備も備わっている。

 つまりは、仕事も遊びも日常生活もこれ1台でオールカバーできるのだ。と言うと中途半端になりそうなものだが、その分、後部座席を簡易にするなど、パーソナルユースと割り切った潔さが、かえって個性を際立てている。

 自分専用の基地「スペーシア ベース」をどう使おうか? アレコレ考えていると、これからの生活で大切にしたいスタイルが見えてくるだろう。

アウトドア…純正アクセサリーで自分好みにカスタマイズも可能。車中泊をベースとしたソロキャンプなど、アウトドアフィールドでも快適に過ごせる。

後部席…後部席は折り畳んで隙間なくフルフラットにできる。1~2人での利用を想定するため、荷室の使い勝手を重視した造りだが、いざとなれば4人乗りとして使えるのは心強い。

間仕切り…初採用のマルチボードを使えば、打ち合わせのテーブルやPC作業デスク、デリバリーの商品整理棚、荷室と居住空間を仕切るパーテーションなど、アイデア次第でレイアウトを変更できる。

積みやすさ…荷室床面地上高は地上から540㎜と、荷物の積み下ろしがしやすいよう低めに設定。野菜などが直射日光で傷むのを防ぐため、軽商用車初のロールサンシェードも備えた。

SUZUKI スペーシア ベース

車両本体価格:1,394,800円~(税込)*諸元値はGF/2WD
全長×全幅×全高:3,395×1,475×1,785
エンジン:水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT
排気量:658cc 車両重量:860kg
定員:2~4名 最高出力:38kW(52PS)/6,500rpm
最大トルク:60Nm(6.1kgm)/4,000rpm
燃料消費率:21.2km/ℓ(WLTCモード)

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