後編 スズキに乗る理由
「特別すごいヤツがほしいわけじゃない、シンプルなバイクが良い」「アップライトなポジションで、重た過ぎず、一泊二日程度のツーリングに行けて、2人乗りがしやすければ尚イイ」それなりの年齢になったライダーにとって、理想のバイクのイメージは、大方これに近いのではないだろうか。
「特別すごいヤツがほしいわけじゃない、シンプルなバイクが良い」「アップライトなポジションで、重た過ぎず、一泊二日程度のツーリングに行けて、2人乗りがしやすければ尚イイ」それなりの年齢になったライダーにとって、理想のバイクのイメージは、大方これに近いのではないだろうか。
がたごとがたごとという音と共に、ぷーーーっ!!という警笛が鳴りわたり、その度に会話が途切れる。それでも不思議にいらいらすることはなく、かえって微笑ましく感じてしまうのが不思議だ。
クルマやバイクに乗ると、なぜか海へ行きたくなる。海までたどり着くと、もうそれ以上先へ進まなくても良いからほっとするのだろうか。それとも人は海から生まれたから、繰り返し海へ還りたくなるのだろうか。
『OVER DRIVE』 全国東宝系公開中 ©2018「OVER DRIVE」製作委員会
よし、俺はこの映画をひいきにしよう。
正直に言えば、最初は「ラリーの映画やるんだ? そりゃ珍しい」とは思ったものの、それ以上に興味を持ったわけでは無かった。
ラムジーの町を背後に抱えるポイント、ガスリーズメモリアルを通過するダン・ニーン選手。この2日後の5月30日のプラクティス走行中にクラッシュ、帰らぬ人となった。
もう長い間、戦争も紛争もない日本。
世界中で起こっている悲惨な出来事がテレビなどで報じられることも少なく、あまりにリアルな映像は、ぼかされ、死は遠いものとして覆い隠されているような気がする。