edit x sevenエディット バイ セブン 富士御殿場を拠点にしたドライブ旅~クルマとの暮らしを考える

文・瀬イオナ 構成・若林葉子 写真・淵本智信 写真提供・edit x seven 富士御殿場(※)

都心からわずか2時間ほどでアクセスできる静岡県御殿場市。

クルマ好きにとっても魅力の多いこの町に、新しいスタイルのホテルが誕生した。その名も「edit x seven 富士御殿場」。このホテルの魅力は自分らしい旅を組み立てられること。周辺のドライブスポットを含めご紹介したい。。

●グループステイが楽しい!

 9月1日に開業したばかりの「edit x seven 富士御殿場」(以下edit x seven)は、御殿場インターからクルマでわずか2分という好立地。クルマ旅の拠点として、抜群のアクセスを誇る。最大の特徴(1つ目)は「大人数で泊まれる」点だ。

 実は日本人が旅行する際、1室あたりの平均宿泊人数は3.6人。しかし従来のホテルの多くはシングル、ツインが中心で実際の需要を受け止められていないという現状がある。そこでedit x sevenは、ファミリーやグループなど複数人での滞在しやすさを念頭に、部屋の作りや、一部屋単位で料金設定するなど様々な工夫をしている。一言でいうと、edit x sevenはグループステイでも十分なスペースのあるスタイリッシュで快適な客室を、リーズナブルな価格で提供してくれるホテルなのだ。

 客室は全49室。2名・4名・6名・8名まで泊まれるタイプや、サウナ付きの部屋があることも“ウリ”である。仲間とワイワイ楽しみたいドライブ仲間には嬉しい設計だ。高層階の客室はすべて真正面が富士山ビュー。非日常を感じつつゆったり過ごせそうだ。

 客室にはWi-Fiはもちろんキッチン、冷蔵庫、電子レンジ、調理器具、ドラム式洗濯機(*)まで備えられ、長期滞在の旅にも心強い。ペット連れのためのドッグフレンドリールームや屋上ドッグランも整備されており、愛犬と一緒に遠出した人も快適に過ごせる工夫が多く見られる。

 2つ目の特徴はペーパーレス。予約時に発行されるQRコードを使えば、チェックインから客室の入室までスマートフォン1つで完結するシステムを取り入れている。従来のようにフロントで個人情報を記入して鍵を受け取る手間がなく、旅の疲れを癒やす時間を少しでも早く確保できるのが嬉しいポイントだ。

 3つ目の特徴は、館内施設の充実度だ。「貸切制サウナ」はグループで利用でき、水着やタオルのレンタルも完備。“整い”に欠かせない水風呂もしっかり冷たく、整い椅子まで用意されていて、本格的にサウナを楽しめる。

 そして「ジム」だ。ただのジムではない。標高2,500mの環境を再現した低酸素ジムとなっているのだ。常駐スタッフはいないが、監視カメラで常時、見守られており、万一の際にはすぐに対応できる体制が整っている。使い方もマシン横のQRコードを読み込めば説明が表示されるため、初めての人でも気軽に利用できる。

 さらに、カフェ&バー「BASE445」では、地域食材を活かした料理を提供。朝はモーニング、夜はバーラウンジとして営業し、滞在の始まりにも終わりにも居心地の良い時間を過ごせる。

 4つ目の特徴は、私はこれを全力で推したいのだが、全室を対象とした「富士スピードウェイ走行券付きプラン」があることだ。富士スピードウェイと聞くと、国際サーキットのイメージに圧倒されてしまう人もいるかもしれない。しかしこの走行プランは、当然のことながら200~300㎞/hという高速でレースをするわけではない。用意されているのは「体験走行」で、先導車付きで安全に気持ちよく自分のクルマを走らせることができる。ヘルメットやグローブも不要で、気軽にレーサー気分を味わえるのが魅力だ。クルマ好きやレース好きはもちろんだが、「ちょっと興味がある」「クルマ好きの友人に誘われて」といった人まで、楽しめるはずだ。

 このようにedit x sevenは、ラウンジの食材調達や走行券付きプラン、他ホテルの宿泊者も利用できるサービスなどを通じて、地域とともに成長するホテルを目指している。開発・運営には霞ヶ関キャピタルのほか、小田急リゾーツ、ミサワホームが参画し、それぞれの強みを生かした次世代ホテルを形にした。

 SNSの発展によって、誰もが自由に旅を設計できる時代になった。どこに行くか、何を食べるか、誰と行くか。そんな「自分らしい」旅の拠点となるホテル。それが「次世代」の意味するところだ。御殿場の旅に新たな選択肢を与えてくれるedit x seven富士御殿場。次のドライブ旅で、ぜひ利用してみてほしい。

*一部(4室)の部屋を除く。1階に有料のコインランドリーが備えられている。

●御殿場をクルマで遊ぼう!

 さて、御殿場と聞いてまず頭に浮かぶのは、富士山の麓に広がる自然豊かな風景ではないだろうか。澄んだ空気と四季折々の景色は眺めるだけでも楽しいが、実際にステアリングを握って走ってみると、御殿場にはクルマで行くからこそ楽しめるワクワクするスポットがいくつも散りばめられていることに気づかされる。

 まずは国内最大級の規模を誇る「御殿場プレミアムアウトレット」だ。広大な敷地に有名なブランドが数多く出店していて、ショッピング好きにはたまらない場所。首都圏からのアクセスの良さや富士山の眺望などによって、今では国内だけでなく、訪日外国人にも大人気となっているのだが、ここでもきっとクルマのありがたみを実感するだろう。買った荷物をすぐクルマに積み込んで、疲れた足を休ませることができるのも自分の愛車があるからこそだ。

 あまり知られていないかも知れないが、すぐそばの「HOTEL CLAD」には日帰り温泉施設がある。ショッピングの後、ここでゆったりと一息入れるのもおすすめ。そして私なら、地元で1番人気のハンバーグ店「さわやか」で熱々のハンバーグに舌鼓を打つ。そのほかにも御殿場には話題のカフェやレストランなどがいくつも点在しており、グルメ巡りをクルマでつなぐだけでもあっという間に1日が過ぎていく。

 中心部を離れて少し走れば、田畑に囲まれた穏やかな道が延び、ふと視線を上げれば雄大な富士山が顔を出す。ときには、思わぬところで絶景が広がり、ドライバーを驚かせてくれる。こうした「寄り道の楽しさ」こそが御殿場ドライブの醍醐味だと思う。点在するスポットは電車やバスではつなぎにくいが、クルマさえあればアクセスは自在だ。

トヨタ ヤリスクロス Z”Adventure”

車両本体価格:2,629,000~3,234,000円(税込)
全長×全幅×全高(mm):4,200×1,765×1,590
エンジン:直列3気筒 総排気量:1,490cc 車両重量:1,190kg
[エンジン]最高出力:67kW(91ps)/5,500rpm
最大トルク:120Nm(12.2kgm)/3,800~4,800rpm
[モーター](フロント)最高出力:59kW(80ps)
最大トルク:141Nm(14.4kgm)
(リヤ)最高出力:3.9kW(5.3ps) 最大トルク:52Nm(5.3kgm)
燃料消費率:27.8km/L(WLTCモード) 駆動形式:前輪駆動

●ワクワクスポットに行こう

 そして御殿場にはクルマ好きにはたまらないスポットが存在するのも忘れてはならない。

 先ほどedit x sevenの走行券付きプランの話をしたが、「富士スピードウェイ」は外せない。この国際サーキットは、レース観戦はもちろんだが、イベントや体験走行など一般のドライバーにもモータースポーツに親しんでもらえるようなサービスが用意されている。メインとなるグランドスタンドからレースを観戦すれば、マシンが全開で駆け抜ける光景に圧倒され、心が震えること間違いなし。サーキットという舞台に身を置くだけで、クルマ好きでなくとも「走る喜び」を肌で感じられるはずだ。

 隣接する「富士モータースポーツミュージアム」も必見のスポット。国内外の名車が時代を超えて並ぶ展示は圧巻で、モータースポーツの歴史と技術の進化を一度に体感できる場所だ。F1マシンやル・マン参戦車両など、普段は写真でしか見ることのできないような名車の実物が目の前にある感覚は特別。クルマ好き問わず、子どもから大人まで、時間を忘れて見入ってしまうことだろう。グッズの販売も行っており、併設するカフェからは食事をとりながらサーキットが一望できる。

 富士スピードウェイで、高鳴るエンジンの鼓動に触れ、モータースポーツミュージアムでクルマの歴史に没頭し、アウトレットで買い物を楽しみ、美味しいご飯を食べてホテルでくつろぐ──この一連の流れを一気に体験できるのが御殿場の実力だ。

 自然と町、スピードと静寂、買い物と癒やし。御殿場はクルマ好きにとって「ワクワクが詰まった街」なのだ。

●ハンドル握って絶景体験

 もしクルマ旅で御殿場を拠点にするならば、ぜひ周辺にも目を向けて欲しい。もう少し足を延ばしてみると、ワインディングを駆け抜ける爽快感も体験することができる。道そのものを楽しめる環境こそ御殿場を拠点とする大きなメリットだろう。

 富士スピードウェイのすぐ近くにある明神峠を越え、山中湖方面へ抜ける道はぜひ走ってみたい1本。タイトなコーナーと標高差を駆け上がった先には、山中湖を眼下に望む絶景が広がる。太陽の反射で水面がきらめき、その奥に堂々と富士山がそびえる光景は、まさにドライブ旅でだけ味わえるご褒美だ。走ると、景色が映画フィルムのようにどんどん変化していくのが面白い。良い気分転換であり、特別な思い出にもなる。

 一方、神奈川方面は絶景ワインディングの宝庫だ。芦ノ湖スカイラインは、湖と山々を一望できる道で、視界が開けた瞬間、自然とアクセルを緩めてしまう。湖と山並みを横目にふらっと流す時間は、都会では得られない開放感に満ちている。
 続いて箱根ターンパイクは、まさにドライブするためにあるような場所で、クルマ好きには有名な道。ワイドなコーナーと適度なアップダウンが続き、ドライバーの腕を試すかのよう。峠の上に達すれば大観山の展望台があり、富士山や芦ノ湖を一望できる壮大な景色を楽しめる。走りの充実感と絶景の余韻、その両方を味わえるのがターンパイクの醍醐味だ。

seven × seven Racing

edit x sevenの企画・開発を手がける霞ヶ関キャピタルは今季からスーパーGTのオフィシャルスポンサーに名を連ね、同時にGT300クラス「666号車」のチームスポンサーとなっている。

富士モータースポーツミュージアム

富士モータースポーツミュージアムは富士スピードウェイの西隣に位置する。トヨタ博物館が監修し、トヨタのみならず、日本国内外10社の自動車メーカーが連携してさまざまな歴史的名車を展示している。

●ガチ勢でなくても楽しめる

 御殿場という街をいろんな視点で紹介してきたが、最新のホテル 「edit x seven」を拠点にすれば、滞在の心地よさと利便性、ドライブの楽しさが一度に手に入る。サーキットの熱気に触れるもよし、アウトレットで買い物を満喫するもよし、峠道で絶景を探すもよし。ステアリングを握れば、ドライブ旅の舞台は一気に広がる。

 クルマに詳しい人も、そうでない人も、それぞれの楽しみ方で過ごせる懐の深さこそ、御殿場の魅力だろう。

 愛車とともに日常を抜け出し、ほんの少し遠出して、御殿場へ。その自由とワクワクを体験したら、きっとまたステアリングを握って、ここへ戻ってきたくなるはずだ。

edit x seven 富士御殿場

〒412-0026 静岡県御殿場市東田中1179-1
Tel:0550(70)3777

瀬イオナ/Iona Hayase

自動車メディアの編集部を経て2024年にフリーランスとして独立。モータージャーナリストを目指して「書くこと」「走ること」を勉強中。レーシングドライバーでありモータージャーナリストでもある中谷明彦氏に師事している。
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