50代からのクルマのつきあい方 対談 岡崎五朗×神尾 成 日本の自動車文化と共に育ってきた世代

まとめ·若林葉子

人生50年と言われた時代からすると今も生きているだけで凄いことなのかもしれない。

さらに若い頃と変わらず、クルマを自由に運転できるのは幸福なことだとも思う。

これからもその「自由と幸福」を続けていきたいのなら、今までと違うクルマ社会に生きる責任や考え方を受け入れていく必要がある。

対価を払い、趣味として好きなクルマに乗り続ける時代

神尾発刊から20年に渡り、aheadはずっと「Go ahead」をコンセプトに掲げてきた。でも読者の多くが50歳以上になって、感じることや考えることが段々難しくなってきた。このまま何も変えずに続けるのは意味がないと思ったんだ。そういうこともあって今年から「ahead OVER50」としてリスタートすることにした。例えば『トップガン・マーヴェリック』を観て、「トム・クルーズは変わってなかった。変わったのは自分だった」とSNSで呟いた人がいたんだけど、そういうことを共有できないかなと。もうスポーツカーには乗ってない、バイクから離れてしまったという人でも、aheadを読むことで、そういう気持ちを思い出してほしいというイメージ。「ahead OVER50」はクルマやバイクに乗ってもらうことが目的じゃなくて、これまでクルマやバイクに傾けてきた情熱を、生きていく自信に繋げようというのがコンセプト。

岡崎なるほど。

神尾そして、ここからが今回の本題。これまでの人生でクルマやバイクを謳歌してきた我々50代以上の世代は、良い時代を過ごしてきた分、今のクルマ社会に対して、いろいろな責任があると思うんだ。その責任について、最も信頼しているモータージャーナリストの五朗さんの話を聞いていきたい。

岡崎まず、ふたつの視点があって、ひとつは社会を俯瞰して見たときの責任。もうひとつは1人のユーザーとしての責任。1人のユーザーとしては、自分の好みの範囲の中で、できるだけエコなクルマを選ぶ。これに尽きる。

神尾でも自分はエコなクルマじゃなくて、大切にしてきた旧いクルマに乗っていたいという人も多いよね。

岡崎うん。その場合はそれに対する対価を支払う覚悟があるなら全然構わない。

神尾対価とは高騰するガソリン代や税金のこと?

岡崎そう。僕は日本の13年落ちのクルマに対する重税にずっと反対してきて、基本的には今も同じスタンスなんだけど、リッター2㎞とか3㎞しか走らないクルマに対しては、ある程度、税金をかけてもいいんじゃないかと考えが変わった。例えば新しい冷蔵庫やエアコンに買い換えた方が社会全体としてのエコは進むわけでしょ。「旧いクルマに乗り続けることはエコだ、そこに高い税金を掛けるのはおかしい」と言い続けていいのかなと。

神尾ものごとの見方を変える時期が来たのかもしれないな。CO2の排出量を減らすのはEVを始めとしたエコカーを増やすだけじゃなくて、旧いクルマを減らしていくことも考えなければいけないということだ。

岡崎CO2をたくさん出すクルマに乗る人は、それに対する対価を税金という形で支払うことによって、それがエコなクルマに乗る人の補助金に使われるたりするわけだよ。石油だって長期的に見て価格が下がるとは考えにくい。むしろ上がっていくと考えたときに、政府を糾弾するのは違うと思う。高い税金やガソリン代を払うのが嫌な人は、燃費の良い税金の安いクルマに乗ればいい。それでも自分は旧いクルマに乗りたいという人は、それなりの対価を支払った方が心おきなくいられるんじゃないかな。

神尾五朗さんはEVの充電スタンドも有料にすべきだとaheadのコラムに書いてたよね。電力の逼迫時には価格を10倍くらいにすればいい。お金を払っていれば堂々と充電できると。確かに無料にしているから“正義の剣”を振りかざす人が出てきてトラブルになる。そういう価値観の変化を50代は率先して受け入れるべきだとは思う。

岡崎ただ突っ撥ねているだけじゃ、好きなクルマに乗る自由を担保できなくなってきているんだ。コロナの時もそうだったけど、感染者が増えると声高に政府を批判するけど、今の社会を見てたら、自分が乗りたいクルマに乗り続けるためには自分に何ができるのかということを真剣に考えた方がいいんじゃないかな。

神尾社会を俯瞰して見た時にひとりひとりに責任があるということだ。日本が経済的に頭打ちになってることや、ガソリンの高騰の影響もあって、クルマを手放した人もいるけど、クルマにこだわってきた人は、よりこだわっているようにも見える。好きな人はブレてないし、そこに価値を置く人とそうでない人の線引きができてきた。それだけ価値観がはっきりしたということは、クルマが本当の意味で趣味として確立する時代になったとも言えるよ。

EV充電は、「普通充電」と「急速充電」の2種類がある。戸建住宅やマンション、ビルの契約駐車場は、主に「普通充電」を完備。単相交流100V、もしくは200Vが設置されている。一方、「急速充電」は、3相交流の200Vとなり、大幅に充電時間が短縮できる。現在販売されているEV車両は両方の差し込み口が装備され、差し込みプラグや充電口のソケット形状が異なるので間違えることはない。上写真が急速、下は普通充電用。

50代は見破る目を持とう

神尾五朗さんはここ3、4年、自身のSNSなどで100%EVはあり得ないと積極的に発信しているよね。

岡崎そう。EVがダメなんじゃなくて100%EVだけにしようというのがダメなの。今、バッテリーに使われるリチウムがとんでもない価格になってきている。バッテリーもいろいろな種類があるんだけど、どのバッテリーであっても今の技術ではリチウム無しには作れないから、リチウムの価格がバッテリーコストに直結するんだ。EVだけじゃなくて住宅用や太陽光発電の蓄電池などにどんどん使われるようになると、もう2030年には需要に対して供給が追いつかなくなる。そんな状況で100%EVを義務付けたらどうなりますか、ということ。

神尾どこかにシワ寄せがくる。

岡崎今、世界の新車販売台数が年間でざっくり1億台。それを全部EVに置き換えたら半分も作れなくなる。必要なところにクルマがいき届かないという事態が起きてしまう。エネルギー危機で先進国が天然ガスやガソリンを買い占めて価格が上昇して、途上国が買えなくなっているのと同じことが確実に起きる。

神尾貧困層を圧迫しかねない。半導体不足も思ってもみなかったところに様々な影響が出てきた。同じような話だ。

岡崎すべてをEVにするということは、社会的弱者を見捨てるということ。無茶なことをいかにもできるように言っている人たちを見て、僕はすごく無責任だなと思う。

神尾五朗さんはこの数年、そうやって社会と闘ってきているわけだけど、自動車メディアの反応はどうなの?

岡崎ahead以外には何も訊かれたことがないよ。なぜかというと、自動車メディアの世界は閉ざされているんだ。自動車メーカーが新車を出して、それがユーザーにとって魅力的かどうかを発信しているだけだから。

神尾自動車ジャーナリストはクルマだけを見てれば良いということか。

岡崎そうそう。これまでこの業界は自動車メーカーが中心になって物事が動いてきた。ところが今、脱炭素という世界的な大きな圧力が自動車メーカーに変化を強いてきている。昔はクルマだけを見ていれば良かったけど、今はどんな力が外から加わっているのかを知らなければクルマのことを語れなくなってきていると思うんだ。

神尾最近、五朗さんは企業やシンクタンクの講演会に呼ばれているようだけど、aheadで書いてきたような話をするとビックリされるんじゃない?

岡崎例えば「メルセデス・ベンツは2030年にEVメーカーになります」とか、「2035年にEUはエンジンを禁止します」と発表したりするけど、そのリリースの後に実は、「マーケットが許すならば」とか、「2026年に世界の進捗を見て改めて決定」とかいう付帯事項がついている。でもそれは誰も報じない。そのことを話すだけで「エーッ」って驚かれるよ。

Mercedes-Benz EQB

車両本体価格:8,220,000円~(税込)
*諸元値は右のEQB250*左は350 4MATIC
バッテリー容量:66.5kWh
システム最高出力:140kW(190ps)
システム最大トルク:385Nm
フロントモーター最高出力:140kW/3,550-11,130rpm
フロントモーター最大トルク:385Nm/0-3,550rpm
一充電走行距離(WLTCモード):520㎞
2021年7月「メルセデス・ベンツが2030年に販売車両の完全EV化を発表、5兆円以上の研究開発費を投じる」と“報道”されたが、「市場の動向を見据えた上で」と付帯事項がついていた。

神尾アレは、あくまでも目標なんだよね。スポーツ新聞とかワイドショーと同じことを大手新聞やテレビの報道番組がやっている。危機を煽って騒ぎ立てて数字を取りにいこうということだな。

岡崎みんなそれぞれ食品とか不動産とか流通とか自分の専門分野であれば、おかしいと気づけるけれど、違う分野のことはなかなか気づけない。だから間違った報道がいろんな分野で起きているんだと思う。EVに関してさらに言うと、日本の原油は96%を中東に依存していることを考えると、リスクの分散という意味で、EVに興味がある人は今、買っておいた方がいいとは思う。ガソリンが手に入りづらくなっても天然ガスや太陽光でも発電はできるから。

100%EVはメディアのミスリード

神尾今の国内外の状況を見ると、EVの選択は大いにあり。だけど100%EVはあり得ないという五朗さんの見解はよく分かった。ここからは、その先の話を聞きたい。

岡崎地球温暖化問題がクローズアップされたことで、ハイブリッドはガソリンを積んでるじゃん、それじゃCO2が出るじゃん。だからEVじゃなきゃダメだよ、という人が出てきたんだけど、僕はハイブリッドの価値を再発見しなきゃいけない時期になったと考えている。なぜならEV1台分のバッテリーで60~80台のハイブリッドを作ることができるんだよ(*)。EV1台でハイブリッドが60台以上作れて、燃料消費率はガソリンの半分にできる。EVはもちろんいいけど、1台でCO2をゼロにしたとしても、ハイブリッド80台でマイナス50%なら、どっちが現実的ですかということ。(*ハイブリッドのバッテリーは1台で1kWh。対してEVは60~80kWh。)

神尾確かにそれは説得力があるな。ただ、プリウスが出たのが’97年で、すでに四半世紀が経った。日本人にはハイブリッドはすでに古いイメージがあって、EVの方が新しくて未来に発展していくように思われている。

岡崎そう思うのは、仕方ない。

Renault CAPTUR E-TECH HYBRID

車両本体価格:3,740,000円~(税込)
エンジン:自然吸気直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1,597cc
エンジン最高出力:69kW(94ps)/5,600rpm
エンジン最大トルク:148Nm(15.1kgm)/3,600rpm
メインモーター最高出力:36kW(49ps)/1,677-6,000rpm
メインモーター最大トルク:205Nm(20.9kgm)/200-1,677rpm
ルノーは、写真のキャプチャーの他にルーテシアやアルカナにも自社開発した「E-TECHハイブリッド」を搭載。輸入車初のフルハイブリッド車両メーカーとなった。

神尾意識改革が必要なんだよね。昨年フランスのルノーは「アルカナ」と「キャプチャー」と「ルーテシア」をEVじゃなくてハイブリッドで出してきた。しかも日産のシステムを使うのではなく、独自に開発したE-TECHと呼ばれるフルハイブリッドを作って。すごく現実的だなと思った。合理的なフランス人らしい判断だと。

岡崎少し前にE-TECHハイブリッドの設計者が日本に来ていて、日本語が喋れたので話してみたら、以前、出向でしばらく日本にいたみたい。少しでも日本に住めばハイブリッドは身近に感じるだろうし、よしコレだって思ったんじゃないかな。

神尾「2035年にハイブリッドは禁止になる」と本気で考えていたらルノーのような大きなメーカーがわざわざこのタイミングでハイブリッドを出してこないよ。ハイブリッド用に限らずエンジンの開発には百億円規模のコストがかかるわけだし。

岡崎まさしくそう。仮に2035年にやっぱりハイブリッドもPHEVもOKと言われたときに、EVしかやってなかったら競争力が一気に下がる。ボルボはエンジン部門を親会社のジーリーに売却して、いざとなったらエンジンは買えばいいという考え方なんだけど、たいていの自動車メーカーはエンジンを内製している。なぜならエンジンのような機関部品は自社生産率が低いと利益率が悪いからなんだ。

神尾EV用バッテリーの自社開発にこだわるメーカーが多いのもそういう理由からか。だとすると今後、海外メーカーがハイブリッドに進出してくる可能性はあるね。

岡崎あると思う。ただフルハイブリッドは簡単には作れないから、多くは、レンジエクステンダーになるんじゃないかな。

神尾発電用の小型エンジンを搭載してバッテリーに充電、あとはEVで走る機能のことだ。フルハイブリッドのような複雑な機構を持たないから、確かにそれは現実的だ。

TOYOTA プリウス

「21世紀に間にあいました」のキャッチフレーズで登場した初代プリウスから四半世紀。新型プリウスは“ハイブリッドの牽引役”をひとまず終えて、次の25年を目指して「Hybrid Reborn」をコンセプトに「一目惚れするデザイン」「虜にさせる走り」を開発目標とした。※初代(1997年・写真上) 新型(写真下)
(下記スペックは新型プリウス)
車両本体価格:未発表
*2022年12月27日時点
システム最高出力:
<1.8ℓハイブリッド仕様>103kW(140ps)
<2.0Lハイブリッド仕様>144kW(196ps)
<PHEV仕様>164kW(223ps)

レンジエクステンダーとフルハイブリッド

レンジエクステンダーとは、発電用の小型エンジンを搭載したハイブリッドシステムのこと。駆動は全てモーターがおこなうので、走行フィールはEVと同じ。エンジンとモーターを使い分けて走行するフルハイブリッドに比べて開発コストが抑えられるのがメリット。ちなみにPHEVとは「プラグインハイブリッドEV」の略で、外部からも充電可能なフルハイブリッド車両のこと。

大人の鑑賞に堪える小さなクルマが次代を担う

神尾ここまでいろんな話をしてきて、いろいろ分かった上で、じゃあ自分たちの世代はどんなクルマを選ぶべきだろう。

岡崎そういう意味で言うなら、僕はダウンサイジングだと思う。EVでもいいけど、小さくて軽くて、極端に言うとスズキのアルトみたいなクルマ。あれは700㎏しかなくて30㎞/ℓ走って自動ブレーキまでついているのに100万円で買えちゃう。ライフサイクルアセスメントまで含めておそらく世界で最もエコなクルマ。ただデザインがダメ。究極のエコカーでありながら、ちゃんとカッコイイクルマをメーカーは出すべき。高級車的じゃなくていいけど、それなりの大人が乗れるクルマにしてほしい。

神尾フィアット「500e」やプジョーの「e-208」みたいな手元に置いておきたくなるデザインのエコカーがほしいよね。

岡崎それと、軽自動車に対して多くの人が引っ掛かってるのが衝突安全性なんだけど、それは、普通サイズのコンパクトカーであってもダンプにぶつかったら同じこと。その点はある程度割り切るべきというのが僕の考え。軽自動車は日本のシェアの約4割になったけど、クルマの安全装備の充実とか、救急救命技術の向上のおかげもあって交通事故死亡者数は年々減ってきているんだ。今後、自動ブレーキのような予防安全技術が高まって衝突事故が激的に減れば、衝突安全性は気にならなくなるはず。ちなみにアメフトがヘルメットと防具を装着しているのは相手が装着してるからなんだって。ラグビーも相撲も相手が着けてないからお互いに着けない。このクルマは大きくて頑丈なので安全ですよってやり出すと、アメフトと同じようになっちゃう。これは銃規制と同じ考え方。アメリカの価値観を変えるのは難しいと思うけど、欧州や日本は今からでも変えられるんじゃないかな。

SUZUKI アルト

1979年の登場以来、480万台以上(2019年時点)を販売した軽自動車の代表格。現行モデルは、減速時のエネルギーで発電して充電、加速時にモーターでエンジンをアシストする「マイルドハイブリッド」(モーター機能付発電機)を搭載する。
車両本体価格:943,800円~(税込)
*諸元値はHYBRID S/2WD・CVT
エンジン:水冷4サイクル直列3気筒
総排気量:657cc
エンジン最高出力:36kW(49ps)/6,500rpm
エンジン最大トルク:58Nm(5.9kgm)/5,000rpm
モーター最高出力:1.9kW(2.6ps)/1,500rpm
モーター最大トルク:40Nm(4.1kgm)/100rpm
燃料消費率:27.7km/ℓ(WLTCモード)

FIAT 500e

世界的な人気のフィアット チンクエチェントのEVバージョン。日本ではサブスク的なリースでしか手元に置けないのが難点。
車両本体価格:4,730,000円~(税込)
バッテリー容量:42kWh
フロントモーター最高出力:87kW(118ps)/4,000rpm
フロントモーター最大トルク:220Nm/2,000rpm
一充電走行距離(WLTCモード):335㎞

神尾それは、高級車は大きくて重厚でエラい。小さなクルマは安っぽくてダサいというヒエラルキーから根本的に脱却しないといけない時代になってきたということでもあるよ。

岡崎あと喜ばしいことがある。自工会の発表では、2001年と2019年の自動車のCO2排出量を世界で比較したら、アメリカがプラス9%、ドイツでも3%増えてるんだけど、日本はマイナス23%と驚異的に削減している。段トツで世界をリードしているんだ。日本は軽自動車とハイブリッド率が高いからだと思う。自分たちはダメだという日本人にありがちな思い込みを捨てて、正しい現状認識とそれに対するプライドを持たなくちゃいけない。

「一般社団法人 日本自動車工業会(JAMA)」が発表した資料によると、2001年から2019年までのCO2排出量削減は日本が圧倒的に優れていた。ハイブリッド車両や軽自動車の台頭が貢献したと考えられる。

神尾それはすごい。ずっと日本は遅れていると言われてきて、そう思い込んできたけれど、日本のやり方は間違ってなかったんだ。

岡崎だから今こそ堂々と三菱の「eK クロス EV」や日産の「サクラ」のような軽自動車を世界に輸出するべきなんだよ。

神尾これまで軽自動車を輸出してこなかったのは、不思議だね。

岡崎どうせ売れないだろうというメーカーの思い込みがあったんだ。僕は今なら確実に売れると思う。世界の著名なジャーナリストを集めて、軽自動車の一気乗り試乗会をすればいい。それだけで大きく流れが変わると思うんだよ。

神尾「軽自動車規格」という厳しい枠の中で、少しでもいいクルマを作ろうとしてきた日本の軽自動車メーカーの技術は凄いからね。もしかしたら日本の誇りになれるよ。条件が厳しければ厳しいほど、底力を発揮して開発を続けてきたのも日本人らしい。

岡崎全長全幅みんな同じなのに、いろんなキャラクターのクルマがあるって、ちょっとクレイジーな文化だよ。

神尾今、軽自動車が花形だとは言い難いけれど、海外でトレンドになったら、国内での評価が一変するかもしれない。逆輸入に弱い国民性だし。

岡崎パリとかミラノとかロンドンとか、オシャレだといわれてる場所で日本の軽自動車が走り回ってたらちょっと嬉しくならない?

神尾確かに。でもそれ以上に、ハイブリッドや軽自動車といった日本の自動車技術が世界を救うかもしれないと考える方が嬉しくなる。自動車産業と一緒に成長してきた自分たち世代にとって、クルマは同級生みたいなもの。もう一度がんばろうという刺激になる話だな。

三菱 eK クロス EV ・日産 SAKURA

「2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車。「K CARオブ・ザ・イヤー」、「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」も獲得。現在、「国の補助金」「エコカー減税」「自治体の補助金」を受けることができるので、通常の軽自動車と同等の出費で購入が可能。
車両本体価格:三菱 eK クロス EV 2,398,000円~(税込)
       日産 SAKURA ¥2,548,700~(税込)
バッテリー容量:20kWh
モーター最高出力:47kW/2,302-10,455rpm
モーター最大トルク:195Nm/0-2,302rpm
一充電走行距離(WLTCモード):180㎞
(上が三菱 eK クロス EV、下は日産 SAKURA)

Goro Okazaki

雑誌やWebに留まらず、2008年から続く長寿テレビ番組『クルマでいこう!』(TVK)でも活躍。2021年に『EV(電気自動車)推進の罠 「脱炭素」政策の嘘』(共著:加藤康子、池田直渡)を出版以降、企業や大学、シンクタンク等においての講演活動も積極的に行っている日本を代表するモータージャーナリスト。1966年生まれ56歳。

Sei Kamio

2007年11月にaheadに参画して以来、ほぼ全ての企画を生み出してきた。2010年から7年間編集長を務めた後、後進に席を譲ったが今年から編集長に復帰。朝日新聞社のプレスライダー(IEC所属)、バイク用品店ライコランドの開発室主任、神戸ユニコーンのカスタムバイクの企画開発などに携わっていた二輪派。1964年生まれ58歳。

「50代からのクルマのつきあい方」の続きは本誌で

対談:岡崎五朗vs神尾 成
日本の自動車文化と共に育ってきた世代
まとめ·若林葉子

対談:岡小百合vs若林葉子
クルマは日常と非日常をスイッチする装置
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