ジェットヘルメットの七変化 ~アライ クラシックエアー~

文・神谷朋公/写真・長谷川徹

これからの話は怒られるかもしれないので、先に謝っておきます。ごめんなさい。僕はずっとジェットヘルメットが嫌いでした。

 バイク人生20年、レーシング系のフルフェイスしかヘルメットだと思ってなかったのです。ジェット型には完全に否定的で、僕の中のイメージは、近場のチョイノリ用のモノでしかなく、良いイメージが全くなかったというのが正直なところ。しかし人間面白いことに、それまで見向きもしなかったモノに対して、180度気持ちが変わることがあります。今回の話がまさにそれ。守備範囲ではなかった分、深くハマったので自分でもビックリしてます。

 例えば、フルフェイスで個性を出そうとしたら、ステッカーチューンをしたり、シールドの色を変えたり、スポイラーを装着するくらい。あとはオールペイントしか残ってません。言ってしまえばヘルメットの形が大きく変化することはないのです。しかしジェット型にはカタチを変えて表現する方法がたくさんあることを知ったのです。僕は、組み合わせを変えてカタチが変わることに感動しました。

 標準のヘルメット②にはシールドやバイザーはついていません。しかしボタン式のスナップが5箇所設けられているので、そのスナップを利用して、様々なシールドやバイザーを装着できるのです。まずはストンと落ちたデザインでクラシックスタイル定番のコンペシールド⑤。更に外側にスナップが付き、バイザーを装着④できるものもあります。そして最近よく見かける丸っこいバブル型シールド③もスナップで装着します。つぎにバイザーです。バイザーとオフロードゴーグル⑥の組み合わせはキマります。(①はピーコックヒサシ ③~⑦はアライ社外品)クラシックタイプのゴーグルなら、『紅の豚』に出てくる飛行艇乗りの気分を味わえます。またゴーグルを着けずにサングラスというのもありです。今の僕のお気に入りは、ロングバイザーとオフゴーグルの組み合わせです。このようにジェット型は、ひとつのヘルメットで自由に遊べて、楽しさが倍増します。フルフェイスとは違って、風を感じやすく、涼しくて快適です。僕みたいなフルフェイスオンリーでバイクライフを送っている喰わず嫌いなライダーの方は、新しい世界にハマってみて下さい。

 最後に少し宣伝します。アライのクラシックエアーは、エアフロ―ライナ・ベンチレーションという通気機能もあるので個人的にはお勧めです。

Arai Classic Air

アライ新作のジェット型ヘルメット。ネオクラシック型といって、普通のジェットよりも少し小さめにできており、着脱可能なシステム内装、更に新開発のベンチレーション機能を搭載した。シンプルなソリッドモデル(単色カラー)と、ヴィンテージテイストあふれるラインが美しいグラフィックモデルをラインアップする。

アライ クラシックエアー

ソリッドモデル:38,500円(税込)
グラフィックモデル:45,100円(税込)
ピーコックヒサシ:880円(税込)

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