編集前記 Vol.38 バイクとの新たな関係性

文・神尾 成

バイク用レザースーツメーカーとして有名なHYOD(ヒョウドウ)の旗艦店が先月のはじめに横浜にオープンした。

 編集部から30分で行ける場所にHYODの専門店ができたことは、ラインナップの多くを実際に手に取ってみれるようになっただけでなく、愛用しているバイクギアを見せながらメンテナンスの相談ができるようにもなるので、個人的にも喜ばしいことだ。

 HYODが自社ブランドを立ち上げたのは2004年だったが、会社としては1988年にRSタイチ浜松(現:ヒョウドウプロダクツ)として創業しており、「RSタイチ」や「アルパインスターズ」のOEMを受託していた期間を含めると38年の歴史がある。それ以前も「クシタニ」で働いていた多くのスタッフが創設メンバーだったことから、HYODは日本のレーシングスーツの歴史を築いてきたといっても過言ではない。詳しくは本誌の2024年12月号と翌1月号でHYODの歩みを紹介した「HYODのこれまでとこれからと」と題した記事をホームページに掲載しているので「ahead hyod」で検索して読んでもらえると嬉しい。

 そんな生粋のレーシングギアカンパニーであるHYODだが、意外なことに横浜の新店ではオープン直後からアパレルの売れ行きが好調だという。社長の昭則氏によると、他の店舗でもパーカーやフード付きジャケットといったカジュアル系のアイテムを買い求める人が急速に増えているとのことだ。これは登山用のアウトドアブランドや本格的なスポーツメーカーのストリートウェアと同じように、バイクのイメージを日常のファッションとして取り入れるトレンドではないかと期待している。

 本誌ではバイクをやめたあとも、その心情を継続する方法を何度か考えてきたが、これはひとつの答えになるように思う。またバイクに縁のなかった人にとっては、バイクを身近に感じるチャンスではないだろうか。宣伝になってしまうが、HYOD横浜は駅からも近く駐車場も広いので、バイクに乗る乗らないに関わらず興味が湧いたら一度遊びに行ってほしい。新たなバイクとの付き合い方を発見することができるかもしれない。

これまでの編集前記を読むことができます。

神尾 成/Sei Kamio

2007年11月からaheadに参画、企画全般を担当している。2010年から7年間編集長を務め、後進に席を譲ったが、2023年1月号より編集長に復帰。朝日新聞社のプレスライダー、ライコランドの開発室主任、神戸ユニコーンのカスタムバイクの企画などに携わってきた。1964年生まれ61歳。

定期購読はFujisanで