2輪レースへの影響は3月8日に開催されたMotoGPの第1戦カタールGPから始まった。
カタール入国の際に、イタリアからの直行便や過去2週間以内にイタリアに滞在した渡航者に対して検疫措置がとられることから、MotoGPクラスのみレース開催がキャンセルとなったのだ。Moto2、Moto3クラスに関しては、事前にテストで滞在していたことから予定通りに行われ、Moto2クラスの長島哲太が優勝、Moto3クラスの小椋 藍が3位表彰台を獲得するなど、日本人ライダーが活躍の兆しを見せていたのだが…、2戦目からは「延期」を余儀なくされ、カレンダーに大幅な変更が生じている。その他にも世界的に全てのレースカレンダーで次々と変更が発表されている。
■MotoGP(ロードレース世界選手権)
3月22日からの第2戦タイGPを10月4日に変更。それにより10月4日に開催予定だったアラゴンGPを9月27日に、第3戦アメリカズGPを4月5日から11月15日に変更。さらに、第4戦アルゼンチンGPを4月19日から11月22日に、それにより11月15日に開催予定だった最終戦スペインGP(バレンシア)が11月29日に変更され、5月3日開催予定だった第5戦スペインGP(ヘレス)も延期となり代替え日は未定となっている(3月31日現在)。また現在、公式サイトMotoGP.comでは、過去のレースを無料配信したり、#StayAtHomeGPを合言葉に、別途開催していた「MotoGP e-Sport」を現役ライダーで行うバーチャルレースを配信しており、第2戦目の開催も決定している。
■WorldSBK(スーパーバイク世界選手権)
3月13~15日に予定されていた第2戦カタールが延期となり日程は現在調整中。第3戦スペイン(ヘレス)が3月27~29日から10月23~25日に変更。さらに9月25~27日に開催予定だった第12戦フランスは、MotoGPのアラゴンGPと開催日時が重なるため10月2~4日に変更。第4戦として予定されていたオランダ(TTアッセン)が、4月17~19日から8月21-23日に変更となっている(3月31日現在)。
■EWC(FIM世界耐久選手権)
4月18日~19日に予定されていたEWC(FIM世界耐久選手権)第3戦ル・マン24時間耐久ロードレースが、8月29~30日に変更された(3月19日発表)。
■AMA SX(AMAスーパークロス)
現在第10戦まで終了しているが、残り第11~17戦全てを中止とし、今年の後半に開催する予定に(3月27日更新)。
■MXGP(モトクロス世界選手権)
第2戦まで行われたが、以降変更を余儀なくされ、ポルトガル、アルゼンチン、フランス、インドネシア、アジア、イタリア、ドイツGPまでが変更されている。(3月18日更新)
■全日本ロードレース選手権
全日本ロードレース選手権は、第1戦鈴鹿2&4レースが延期(代替え日未定)、第2戦に予定されていたツインリンクもてぎも11月14、15日に延期となった。全日本モトクロス選手権も第1戦、第2戦の延期を発表、共に代替え日は未定となっている(3月31日現在)。
❺2月にはMotoGPの公式テストがカタールで行われた。©︎Gold & Goose/Red Bull Content Pool
❻MotoGP開幕戦のカタールGPで、見事初優勝を飾ったMoto2の長嶋哲太。最高峰クラスがキャンセルとなってしまったが、長島のドラマティックなレースが明るい話題をもたらした。©︎Gold & Goose/Red Bull Content Pool
❼MotoGPは延期されたレースがシーズン後半に組み込まれるため、「フィジカルよりメンタル面が重要になる」(J・ミル選手)との声も。
❽スーパーバイク選手権は、開幕戦のみ開催。以降延期が続く。
Maki Sato